タイトル
著者
出版社 形態 発表年(初出)
義経伝説

橋本治
河出書房 ソフトカバー 1991
  戯曲タッチのお笑い義経記。義経を田中角栄になぞらえたパロディですが、その辺の政治事情を知らない私が読んでも十分おもしろい。弁慶・行家・静・九条兼実という妙なメンツで麻雀やってる。寿司屋でバイトの源スシツネ、出前迅速八艘飛びだ!
★★★★
  
義経
YOSHITSUNE

中島渉
マガジンハウス ソフトカバー 1993
  なぜ、薄幸のヒーロー・義経は東京サミットの夜の新宿に甦ったのか。――800年の時空を疾駆して、世紀末に衝撃の嵐を呼ぶ新義経伝説!/義経の愛と苦悩と怨念に、大胆な着想で迫るエンターテイメント快作!
1996年・東京サミットの晩にタイムスリップした義経は、自衛隊ヘリが飛び交う中、前時代からの宿敵ドルイド(西欧魔術師)と因縁の対決に臨む!SF映画を思わせる映像的な内容で、快調に読めます。正義の味方・悲劇のヒーロー義経がかっこいいぞ!
★★★★
  
神州魔風伝

佐江衆一
講談社 文庫 1994
  源義経最期の時、炎の持仏堂に魔風のごとき七匹の天狗が舞い降りた。それから四百年。天下太平の徳川治世に、兇・禍・怨・恨・謀・邪・悪・乱の八片の魔境が集う…。大乱の予感に息をのむ傑作長編時代小説。
ごめんなさい未読…
  
偽史日本伝

清水義範
集英社 文庫 1997
  ※ハードカバー版もあり
“源義経”と呼ばれた美しい若武者の正体は、実は町のチンピラ、本物の義経はなんと弁慶その人であった!(「苦労判官大変記」)
珍解釈の日本史パロディが全部で14編収められています。清水義範氏の小説・エッセイはよく歴史ネタが登場するので、他作品も要チェック。
★★★★
  
遮那王伝説

三田誠広
実業之日本社 ハードカバー 1998
  両性具有の美少年(美少女?)遮那王と、そんな彼(彼女?)に惚れ込んだ弁慶が、日本各地を旅していろんな神仏妖怪、あるいは妖怪みたいな人間(清盛、頼朝、後白河)に会い、おのれが何者であるかを探求してゆく物語。民俗学的キーワードがパズルのように義経物語に組み込まれていて興味深い。ストーリーのはしばしにおふざけもあって(何の脈絡もなくパフィーや布袋寅泰が出てくる)、コミカルでミステリアスでロマンチックでもあるこの物語、おもしろくて好きなのですが、大っぴらに人に薦められません。エロいので。遮那王が行く先々でそらもういろんな目に遭う。
★★★★★
  
陰陽道・
転生☆安倍晴明
(全3巻)

谷恒生
徳間書店 文庫 2000
  陰陽師・安倍晴明が時を越え鞍馬の天狗に身をやつし、九郎義経を育て導く物語。義経は健気でかっこいいし、頼朝はクールでしぶい。満足です。まあそれはいいんですが、ストーリーの随所に司馬遼太郎「義経」とそっくりな部分が見受けられるのは大丈夫なんでしょうか。もしや司馬作品はすでに「古典」「歴史的事実」としてテキスト化されてて他作品に引用自由なの?
★★★★
  
黒塚
KUROZUKA

夢枕獏
集英社 ハードカバー 2000
  ※コミック版・文庫版もあり
謡曲「黒塚」をモチーフにした、義経と弁慶と安達ヶ原の美女の物語。非業の死を遂げた義経=クロウが転生し、時を越えて旅をし、その果てに知る真実は…。
以下ネタバレ、注意!…義経と安達ヶ原の女が恋仲になりますが、ひそかに女を想っていた弁慶が嫉妬に駆られて義経の首を斬ってしまう…!なにすんねん弁慶。彼には何はさておき義経至上主義であってほしいのでなんか腹立つ。だから、物語自体は面白かったけど評価は低め。
★★
  
五条霊戦記
(ノベライズ)

倉橋緑
角川書店 ハードカバー 2000
  2000年公開映画「五条霊戦記」小説版
小説を映画化、ならともかく、映画を小説化(ノベライズ)なんていうのは余計なお世話の場合が多かったりして。この小説は、映画を観てその世界観が今ひとつわからなかった人が解説書として読むのに最適です。ともあれまずは映画を観ておかないことにはどうにもならない。
★★★
  
陰陽師・鬼一法眼
(現在5巻目)

藤木稟
光文社
新書カッパノベルズ
新書 2000〜
  ※コミック版・文庫版もあり
鎌倉幕府を呪い跳梁跋扈する怨霊牛若丸、それを阻止するべく戦う怜悧な陰陽師・鬼一法眼。ひたすらびびるばかりで何もしない頼朝が情けない。泣きボクロがチャーミングな怨霊牛若ちゃんは頼朝憎しの怨念強く、政子にセクハラするなどいかにもワルな感じですが、同志・後白河の非情さに尻込みしたり、愛しい静御前と再会して涙したり、結局ピュアな甘ちゃんキャラです。
★★★
  
歴史パロディ
英雄よみがえる!
(日本篇)

ARISAWA KEN
学生社 ソフトカバー 2003
  抱腹絶倒!全く新しいスタイルの登場!!笑いあり涙あり、眼からウロコのインターネットや携帯サイトで超人気の歴史パロディ
インターネットで大好評を博した歴史人物のコントパロディが一冊の本に!「日本篇」は源義経、織田信長、徳川家康、坂本竜馬を収録。歴史上の英雄たちがひたすらすっとぼけ、みんなにツッこまれたりボケ返されたりするうちにアレヨアレヨと歴史が動いていってしまいます。ほよよ〜んとした脱力系トークは爆笑必至。登場人物みんな情けなくてお人よしでかわいいの何のって。義経なんて皆に「よっしー」って呼ばれてる…。笑って笑って最後にほろりと泣かせる演出はおみごと。「西洋篇」も出ており、こちらのメンツはナポレオン、ジャンヌ・ダルク、ケネディ、アレクサンダー大王。いずれも爆笑&感動のおすすめ本です。
★★★★★
  
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